整骨院・整体院 売上データの分析 効率化|ChatGPTを使った具体的なやり方
この記事の要点
整骨院・整体院の売上データの分析をChatGPTと無料ツールで効率化する方法を、月12時間→3時間に削減した院長の事例とプロンプト例つきで具体的に解説します。
夜9時、最後の患者さんを見送ってから、受付のパソコンでレジの日報と予約表を開きます。保険診療、自費の骨盤矯正、回数券。数字は毎日たまっていくのに、「結局どのメニューが伸びているのか」は誰にも分からないまま月末を迎えます。2026年に入って、整体院でも接客をAIで可視化したり、集客をAIに任せたりする動きが広がっています。それでも「うちはまだ手集計」という院は少なくありません。この記事は、そんな夜を過ごしている先生に向けて書きました。
結論から言えば、整骨院・整体院の売上データの分析は、ChatGPTと無料のスプレッドシートを組み合わせるだけで、月末の集計・分析時間を月12時間から約3時間に減らせます。 さらに、空いた時間で「次に何を打つか」まで考えられるようになります。
整骨院・整体院の売上データの分析、なぜこんなに大変なのか?
今回の主人公:山本さんの紹介
今回の主人公は、地方都市で「ひだまり整骨院」を営む山本さん(42歳・男性)です。柔道整復師として独立して8年目のオーナーで、施術スタッフ2名と受付パート1名の4人体制で院を回しています。月の売上は約280万円で、内訳は保険診療が6割、自費メニュー(骨盤矯正・猫背矯正・回数券)が4割です。
山本さんの困りごとは、ひとつだけです。
「自費メニューと回数券の売上が、本当に伸びているのか落ちているのか、月末にならないと分からない。しかも月末の集計だけで疲れ果てて、分析までたどり着けない」
※本記事の事例は、整骨院・整体院でよくあるお悩みをもとに構成したフィクションです。登場人物名・店舗名・会社名は仮名であり、実在の個人・団体とは関係ありません。
山本さんの「月末の1日」
月末の金曜日、山本さんは午前の施術を終えると、昼休みにレジの日報をExcelへ打ち込み始めます。午後の施術が終わった夜8時からは、紙の回数券台帳と予約システムの来院履歴を照らし合わせ、「この人は回数券を使い切ったか」「次回予約を取らずに離脱したか」を一件ずつ確認します。
作業が終わるのは深夜0時近くです。表は完成しても、山本さんの頭に残るのは「今月も何とか集計できた」という安堵だけです。「猫背矯正は先月より減っている気がするけど、なぜだろう」と考える気力はもう残っていません。
本当の問題は「集計」ではなく「分析できないこと」
山本さんのように、整骨院の先生の多くは集計作業に時間を使い切ってしまい、肝心の分析に手が回らない状態に陥っています。データはあるのに、意思決定に使えていない。これが一番もったいないところです。
整骨院・整体院で売上データの分析が放置されがちな3つの理由
理由1:保険と自費が混在する業界構造の壁
整骨院の売上は、保険診療の請求額と窓口負担、自費メニュー、回数券の前受金、物販が入り混じっています。回数券は「販売した月」と「消化した月」がずれるため、単純な月次売上だけを見ると実態を見誤ります。山本さんも「回数券がたくさん売れた月は好調に見えるけど、翌月は急に落ち込む」という現象に毎回振り回されていました。
理由2:施術で1日が終わる時間の壁
院長自身が施術者であることがほとんどなので、営業時間中にパソコンに向かう余裕はありません。分析は「閉院後」か「休日」にやるしかなく、どうしても後回しになります。
理由3:「数字は苦手」という心理の壁
山本さんは「施術の勉強は好きだけど、エクセルの関数を見ると頭が痛くなる」と笑います。ピボットテーブルやグラフ作りを覚える時間があるなら、新しい手技の練習をしたい。そう考える先生は多いはずです。この心理的なハードルこそ、AIが一番力を発揮できる部分です。
売上データの分析をAIで解決する方法(ステップ解説)
まずは入門書で「AIへの頼み方」を学んだ
山本さんが最初に読んだのは、ChatGPTのビジネス活用について書かれた入門書でした。「指示は具体的に、役割と出力形式を決めて伝える、という基本が書いてあって、その通りにやったら最初のプロンプトがうまくいったんです」と振り返ります。
整骨院・整体院の売上データの分析について、さらに詳しく学びたい方にはこちらの書籍がおすすめです。
データの入口を整えた:STORES予約とfreee会計
分析の前に、山本さんはデータの「入口」を整理しました。紙の予約台帳をやめてSTORES予約<!-- TOOL:STORES予約 -->の無料プランに切り替え、来院日・メニュー・担当者がCSVで出せるようにしました。売上と経費はfreee会計<!-- TOOL:freee会計 -->で管理し、月ごとのメニュー別売上を書き出せる状態にしています。
ChatGPTで売上分析をする5ステップ
- 予約データと売上データをCSVで書き出す
STORES予約から「来院日・メニュー・担当者・会員番号」、freee会計から「日付・品目・金額」を出力します。患者さんの氏名・電話番号の列は必ず削除し、会員番号だけを残します。
- Googleスプレッドシートに貼り付けて1枚にまとめる
無料のGoogleスプレッドシートに「予約」「売上」の2シートを作ります。ここで山本さんはChatGPTに次のように頼みました。
「整骨院の売上管理をしています。Googleスプレッドシートに『予約』シート(A列:日付、B列:メニュー名、C列:担当者、D列:会員番号)と『売上』シート(A列:日付、B列:品目、C列:金額)があります。メニュー別・月別の売上合計を出す関数を、貼り付けるだけで使える形で教えてください」
- ChatGPTに集計結果を渡して傾向を読ませる
月別・メニュー別の集計表をコピーして、こう入力します。
「あなたは整骨院の経営コンサルタントです。以下は直近6か月のメニュー別売上です。伸びているメニュー、落ちているメニュー、その考えられる理由を3つずつ、箇条書きで教えてください。保険診療と自費は分けて考えてください」
- 回数券の継続率を確認する
回数券の離脱が気になっていた山本さんは、次のプロンプトを使いました。
「以下は回数券購入者の会員番号と来院日の一覧です。回数券を使い切った人、途中で来なくなった人、最終来院から30日以上空いている人に分類し、それぞれの人数と割合を表にしてください」
- 分析結果から翌月のアクションを決める
最後に「この分析結果をもとに、スタッフ4人の小さな整骨院が来月すぐに実行できる改善策を3つ、優先順位つきで提案してください」と聞き、朝礼で共有する施策を決めます。
失敗談:最初はChatGPTが「それっぽい数字」を返してきた
最初のころ、山本さんは1か月分の生データをそのまま数千行貼り付けていました。すると、ChatGPTが集計途中で数字を取り違え、実際より自費売上が20万円も多い結果を返してきたのです。「これを信じてスタッフに話していたら大恥でした」と山本さんは苦笑いします。
そこで工夫したのが、「集計はスプレッドシートの関数、解釈はChatGPT」と役割を分けることです。合計や件数のような正確さが必要な計算はスプレッドシートで済ませ、ChatGPTには集計済みの小さな表だけを渡して「傾向」と「理由の仮説」を考えてもらいます。この分担にしてから、数字のズレは一度も起きていません。あわせて、集計結果の合計がfreee会計の月次売上と一致しているかを毎月チェックする習慣もつけました。
もうひとつのAI活用法:LINE公式アカウント×Googleフォームとの組み合わせ
「なぜ落ちたか」は数字だけでは分からない
分析を続けるうちに、山本さんは「猫背矯正の回数券が、3回目以降に離脱しやすい」という傾向に気づきました。ただ、売上データだけでは理由までは分かりません。
最近では、整体院で施術や接客の様子を動画AIでスコアリングし、スキルの属人化を解消する取り組みも広がっています。山本さんはそこまでの仕組みは導入していませんが、「数字の裏にある患者さんの声を集める」という考え方に大きなヒントを得ました。
LINEで声を集め、ChatGPTで要約する
山本さんが導入したのは、LINE公式アカウント<!-- TOOL:LINE公式アカウント -->(月200通まで無料)とGoogleフォームの組み合わせです。
- 3回目の来院後に、LINEで「施術の感想アンケート(1分)」としてGoogleフォームのリンクを送る
- 回答はスプレッドシートに自動でたまる
- 月末に、回答の自由記述欄をまとめてChatGPTに渡す
このとき使ったプロンプトがこちらです。
「以下は整骨院の患者アンケートの自由記述です。回数券を継続しない理由になりそうな声をテーマ別に分類し、件数の多い順に並べてください。あわせて、施術内容・料金・予約の取りやすさのどれに関する不満が多いかも教えてください」
結果、「効果は感じるが、次回予約の時間帯が合わない」という声が最も多いと分かりました。山本さんは平日夜の枠を1つ増やし、3回目の施術時に次回予約をその場で提案する流れに変えました。
集客まわりの点検もついでに
集客AIシステムの導入店舗が800店舗を突破したというニュースもあるように、サロンや治療院の集客にもAI活用が当たり前になりつつあります。山本さんも気になって、ChatGPTやGeminiなどのAIに自分の院が紹介されるかを無料で診断できる「AIOスコア診断」を試してみたそうです。「AIに聞かれたときに院名が出てこなかったのは衝撃でした」と話し、Googleビジネスプロフィールの情報を充実させるきっかけになりました。
導入前後でどう変わった?数字で見るビフォーアフター
山本さんの院で起きた変化(導入から4か月)
| 項目 | 導入前 | 導入後 |
|---|---|---|
| 月末の集計・分析時間 | 月12時間 | 月3時間 |
| 分析にかける時間 | ほぼ0時間 | 月1時間(施策検討) |
| 回数券の使い切り率 | 52% | 68% |
| 自費メニュー売上(月) | 約112万円 | 約131万円 |
| 外部の集計代行費 | 月1万5,000円 | 0円 |
時間とお金の両方が浮いた
以前は年度末だけ知人の事務代行に集計を頼んでおり、年間で約18万円かかっていました。今はそれも不要になり、使っているのはChatGPTの有料プラン(月3,000円程度)と無料ツールだけです。
何より大きかったのは、月9時間分の「深夜作業」がなくなったことです。山本さんは浮いた時間でスタッフとの勉強会を月1回開けるようになり、「数字を見て、次の一手をみんなで話せるようになったのが一番の収穫です」と話しています。
ちなみに、スマホだけでメニュー表を作れるMenuPrintのようなサービスを使えば、デザインの手間もほぼゼロにできます。
最近はAIが検索結果を要約して表示する時代です。自分のお店がAIに紹介されるかどうか、AIOスコア診断で無料チェックしてみるのもおすすめです。
もっと深く学びたい人向け:山本さんが次に読んだもの
基本の使い方に慣れてきた山本さんは、「AIに何を聞けばいいか」をもっと磨きたいと考え、データ分析とChatGPTの組み合わせを扱った実践書や、小規模店舗の経営数字の読み方を解説した本を読み進めています。「関数を丸暗記するより、どんな問いを立てるかが大事だと気づけました」とのことです。最近は東芝などの大手もPOSデータのAI活用を発信しており、購買データ活用の考え方は、小さな整骨院の来院データにも十分応用できます。
この記事の内容をもっと体系的に学びたい方へ。実践的な一冊をご紹介します。
よくある質問
Q1: 患者さんの個人情報をChatGPTに入力しても大丈夫ですか?
氏名・電話番号・住所・病歴などの個人情報は入力しないのが原則です。山本さんのように会員番号だけを残し、集計済みのデータを渡す形にすれば安全に活用できます。法人向けプランの利用や、学習に使わせない設定もあわせて確認しましょう。
Q2: パソコンが苦手でもできますか?
できます。関数やグラフの作り方そのものをChatGPTに聞けば、貼り付けるだけの形で教えてくれます。最初は「先月のメニュー別売上を出す」だけに絞って始めるのがおすすめです。
Q3: 初心者におすすめの本やツールはありますか?
まずはChatGPTのビジネス活用を解説した入門書を1冊読むと、プロンプトの基本が身につきます。ツールはGoogleスプレッドシートとLINE公式アカウントの無料プランから始め、慣れてきたらSTORES予約やfreee会計でデータの入口を整えると効率が上がります。
まとめ:山本さんからのひとこと
整骨院・整体院の売上データの分析が進まない原因は、先生の能力不足ではありません。保険と自費が混ざる複雑さと、施術で1日が終わる忙しさのせいです。だからこそ、集計はスプレッドシート、解釈はChatGPT、患者さんの声はLINEとGoogleフォームと役割を分けるだけで、驚くほど楽になります。
最後に、山本さんからのひとことです。
「深夜0時まで数字とにらめっこしていたのが嘘みたいです。数字が苦手な自分でもできたので、まずは先月分のデータをひとつ、ChatGPTに見せてみてください。きっと『こんなことが分かるのか』と驚くはずです」
※本記事に登場する人物・店舗名は架空のものであり、実在の個人・団体とは関係ありません。事例は同業種でよくあるお悩みをもとに構成したフィクションです。効果や数値はあくまで想定であり、成果を保証するものではありません。
この記事の監修
かわさき楽AIサポート(株式会社スマイルファクトリー)
川崎の中小企業・個人事業主・個人がAIを「楽に」「楽しく」活用できる状態をつくるAI活用支援サービス。無料ツール中心で、AIの専門家ではなく『整理役・伴走者』として業務効率化を支援します。
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